スポンサーサイト

0

    一定期間更新がないため広告を表示しています

    • 2016.04.04 Monday
    • -
    • -
    • -
    • by スポンサードリンク

            秘密結社 「ホワイト・キャット」

    0

                 第一部 最終話 新しい生活 


       暖かな 縁側で 大好きな人の膝に乗り

       頭を 撫でてもらうことが こんなに幸せな事とは

       今日まで 知りませんでした これが愛情なんですね

       なんて 幸せな日々を 送っている 小生 「トム」 でございます



       あれから 兄貴は 研究所に戻り

       先生の仕事を 手伝っています

       代わりに 私が マユミさんの お傍にいさせていただいています

       兄貴と マユミさんは 週1ぐらいで デートをしますので

       その邪魔だけは していません



       カイのヤツは しばらく マリが家に帰ったので

       しょんぼり してましたが

       最近では バーバラの所に 居座っているようです



       保健所行きになった ロックが 優しい飼い主が見つかり

       幸せにしていると 風のうわさで 聞きました



       ブラック・アイは どうも解散したようで

       ジャックは この町を出て 旅に出たと 聞きました



       「トラ組」のヤツラは 相変わらず 

       繁華街の 嫌われ者を 気取っているようです



       マユミさんは ずいぶん元気になり

       ご両親も 喜んでいます

       少し気になるのは マユミさん曰く

       「最近 兄貴の様子が 少し違う」

       と いう事です



       私は そんなに心配してません

       「でも もう ずいぶん会ってないなぁ」

       まあ 兄貴のことなので 大丈夫と思っています



       みなさん 次回お会いする時まで お元気で!   by トム

            


       ランキング 応援お願いします!
            
      人気ブログランキングへ
      にほんブログ村 ポエムブログ 自作詩・自作ポエムへ
                                              にほんブログ村


              秘密結社 「ホワイト・キャット」

      0


                          第13話   進化論


         いつの間にか 日が落ちたのか あたりは なおさら暗く思えた

         マユミさんも 兄貴も 先生の次の言葉を 待っていた

         先生は 目を閉じたまま 動かなかった



         「先生!私は 人間として やっていけるのでしょうか?」

         兄貴にも 戸惑いが あるようだ

         神尾先生は うっすらと 目を開けだすと

         「これは 話しておこう」

         先生は身を乗りだし ふたりを見つめた



         「太古より 人間は 猿から 進化してきたと されている」

         「しかし 多くの学者の中には その進化のスピードが 他の生物とは ・・・・ 」

         先生は 目を閉じ 何かを思い出すかのようだ

         「そのスピードが 速いのは 途中に 何ものかが 手を加えたと ・・・ 」

         言葉を選ぶように 先生の 話は 続けられた



         「つまり 猿からの進化には 間違いないが その過程において 手が加えられている」

         「では それが 誰かという事じゃが ・・・・・ 」

         先生は 立ち上がり 窓際に立ち 外をながめた

         「信じるか 信じないかは 勝手じゃが いずれ歴史が 証明する」

         「人間の進化を 速めたのは 人間の言う ”神” じゃ」

         私には 難しすぎて 猫の脳では 理解不能に なってきた



         「太古の昔 壁画に描かれた 空から舞い降りた 羽の生えた神 ・・・・ 」

         先生は 遠くを見つめながら 大きく ため息をついた

         「その神こそ ・・・・ いや よそう」

         先生は また 兄貴とマユミさんの前に 座った

         「アイよ 君は クローン人間ではないのじゃ」

         先生は 兄貴を見つめた

         「君は 私の手によって 猫から進化した 人間じゃ」



         「猫から 進化した 人間 ・・・・・ 」

         兄貴は 繰り返すように つぶやいた

         「ちゃんとした 愛情を持った 人間じゃ」

         先生は 念を押すかのようだった



         神尾先生は ふたりを 車へと 送り出した

         「帰りは助手に 送らせよう」

         ひとりの青年が 出て来た

         私は また 助手席に 座り 

         車は 家路へと 向かった

                       



         ランキング 応援お願いします!
              
        人気ブログランキングへ
        にほんブログ村 ポエムブログ 自作詩・自作ポエムへ
                                                にほんブログ村


                秘密結社 「ホワイト・キャット」

        0

                            第12話   神尾先生


           どれだけか 車に揺られた 車の後ろに 兄貴とマユミさん

           私は 神尾先生の隣 助手席にいた

           「どうやら 私の実験も 成功のようじゃな」

           独り言のように 先生は つぶやいた

           (実験?) 私には 言ってることが分からなかった



           農道を通り こんもりとした 森が見えてきた

           その中へと 車がすすむと 日差しは 閉ざされ

           何やら 神秘的というか 幻想的な世界に 向かっているようだった



           しばらくして 古びた 平屋の前に出た

           「さあ 中へ 入ろう」

           先生は そう言って 車を降りると すぐに玄関へと 向かった

           私たちと言っていいのか 一匹とふたりも あとについて行った

           マユミさんは 兄貴の腕に しがみついてるようだ



           通された 部屋の中は まさしく 研究室だった

           「さあ さあ 座りなさい」

           マユミさんと兄貴は ふたりでソファに 座った

           私は そのソファの横に 腰を下ろした

           ふたりの向かいに 先生が 座った

           「そうじゃな マユミさんには 順番に 話をせんとなぁ」

           先生は ふたりの様子を まじまじと 眺めながら 言った

           「マユミさん わしは 動物が好きで 特に猫が好きなんじゃ」

           私も 先生の話を菊のは 初めてだった

           「わしは 動物の生態を 調べる 研究所に勤めておった」

           マユミさんも 兄貴も 黙って聞いていた

           「遺伝子工学の権威とも言われたが、DNAの研究やら クローンの実験やら いろいろやった」

           「でも それらの研究は 人間の欲望を 満たすためのものなんじゃ」

           「そこには 動物に対する 愛情も 人間に対する 愛情もない」

           「あるのは 地位や 名誉に対する 欲望だけじゃ」

           「だんだん いやになって 逃げだしたくなった」

           先生の目は 遠くを 見つめてるようだった



           「ある日 所長が クローン人間を つくると言った」

           「わしは 初め反対した」

           先生は 大きく 息をつくと 煙草に火をつけた

           その間 マユミさんは 兄貴の顔を 見つめていた

           一息 煙草を吸いながら 続きが 始まった



           「クローン人間には 問題があった ・・・ 」

           「愛情の欠如じゃ ・・・ 」

           先生も 話しにくそうだった

           「クローンは 母親の体内での 愛情を知らない」

           「動物として 生まれて 初めて 受ける 愛情じゃ」

           「クローンは 後から 植えつけられた ニセの愛情だけじゃ」

           先生は また 煙草をふかした



           「しかし 哺乳類であれば 犬であれ 猫であれ 母親の愛を受けて生まれる」

           「わしは そこに気づくと ひとり 大学の研究から 身を引いたのじゃ」

           「そして この研究所にこもり 動物の進化について 研究を重ねたのじゃ」

           先生は 煙草を 灰皿に 押しつぶした

           「そこで生まれたのが アイじゃ」

           「アイは 猫から 進化した 人間なんじゃ」

           ここまで話し切ると 先生は 背もたれに 体を預け しばらく天を仰いだ



           マユミさんは ただただ驚いてる 様子に見えた

           「それで 先生 これから どうすればいいのでしょう?」

           兄貴が 口を切った

           「そうじゃな ・・・ 君は 完成した ・・・ もう 猫に戻る事はない」

           感慨深げに 聞こえた

           「最後に 君に 必要だったのは 人間としての愛じゃ」

           「それを マユミさんが くれた」

           マユミさんは 兄貴の手を握っていた

           その手を 兄貴は もう一度 強く握り返していた



           
          ※ あけまして おめでとうございます!

                    本年も よろしくお願いします☆ 
                         


            ランキング 応援お願いします!
                
          人気ブログランキングへ
          にほんブログ村 ポエムブログ 自作詩・自作ポエムへ
                                                  にほんブログ村


                  秘密結社 「ホワイト・キャット」

          0


                              第11話   研究所


             
             いつか この瞬間が 来ることは 仕方のない事かもしれない

             でも このタイミングが ベストなのか どうか

             マユミさんは 私の そばを離れなかった

             兄貴と ジャックは 何か しゃべってるようだ



             「とうとう 正体を あらわしたな」

             「 ・・・・・・・・・・ 」

             「それさ その力さ それがほしいんだよ」

             「ムリだ」

             「なに?」

             「この力には 人間の愛が 必要なんだ」



             このまま マユミさんが 動かない事を 願った

             私も動けなかったが その場にいた すべてのものが 止まって見えた



             「ジャック もう 人間を憎むのは やめにしよう」

             「ダメだ 死んだ仲間がいる それに オレの目も ・・・ 」

             「おまえのやってることは ほかの仲間たちも 苦しめてるんだ」

             「オレの仲間は ブラック・アイ だけだ」

             「淋しいじゃないか クロとか 白とか トラとか みんな同じ ネコじゃないか」

             「おまえは ネコじゃねぇ 人間だ!」



             次の瞬間 ジャックが 兄貴に飛び掛かった

             右手で それを払いのけると 兄貴の腕から 血が流れた

             「ジャック 見ろよ 人間も 猫も 同じ血が 流れてるんだ」

             「 ・・・・・・・・ 」



             その時 どこからか 笛の音が 鳴り響いた

             とっさに 私は 叫んだ

             「ガサ入れだーっ!」

             その場にいた 猫たちは 一斉に逃げ出した

             と その瞬間 マユミさんが 一直線に 兄貴のもとに 走った



             「アイーっ!」

             マユミさんは 後ろから 抱き着いた

             「もう どこへも 行かないで ・・・ 」

             涙声だった

             私も すぐに 兄貴のもとへ 走った

             兄貴は 少しも 動かなかった



             「もう ここまでに しようや」

             いつの間にか 老人が 近ずいて来ていた

             「神尾先生 ・・・・ 」

             兄貴も それ以上は 話せないようだ

             「あなたが ・・・ あなたが アパートで 私を助けてくれた アイさん ・・・ 」

             マユミさんは 恐る恐る 声を出した

             兄貴は 振り向いて 彼女の肩に 手をのせた

             「ああ ・・・・ 」

             兄貴も 言葉が 出ないようだ



             「さあ あとは 研究所で 話をしよう」

             神尾先生が ふたりを促した その手には 笛が見えた

             先生の車に 兄貴 マユミさん 私と 乗り込んだ

            ;




             ランキング 応援お願いします!
                  
            人気ブログランキングへ
            にほんブログ村 ポエムブログ 自作詩・自作ポエムへ
                                                    にほんブログ村


                    秘密結社 「ホワイト・キャット」

            0

                               第10話   アイの秘密

               


               一斉に視線は こちらに来た

               私は 廃材を 押し出して 下へと落した

               飛び散る 廃材に 兄貴と ジャックは 飛びのき

               周りにいた クロたちが 私を めがけて 駆けあがって来た



               「捕まらないぜ!」

               私は もう一度 フェンスを 乗り越えると

               裏側の木箱に 乗った

               「逃がすか!」

               しまった 入口にいたヤツらが 下から来た

               挟み撃ちだ



               「おう おう おーっ!」

               叫びながら 下にいたクロに 飛び掛かるヤツがいる

               サブと 「トラ組」の仲間だ

               「助けに来たぜ!」

               サブが 言った

               「すまん!」

               そう言うが 早いか 私も下に 降りた

               「トムさーんっ!」

               ジャムの声だ びっこを引きながら カイも来た

               「マユミさんは」

               ジャムに問いただした

               「すまねぇ アイさんじゃないのが ばれた」

               飛び掛かってくる クロを払いながらの 会話だ



               「アイ―っ!」

               この声は 私は 一瞬 耳を疑った

               次の瞬間 目に飛び込んだのは マユミさんだ

               (この場は まずい) 心で叫ぶと

               彼女に 向かって 走った

               「アイっ!」

               マユミさんは すぐに 気が付いてくれた

               私は かまわず その胸に 飛び込んだ



               彼女に 抱かれながらも 兄貴が気になる

               見ると シャックが 兄貴の上になって 押さえつけてる

               「アイよ おまえの力が ほしいんだ」

               「ダメだ おまえの やる事は 復讐だろっ・・・ 」

               兄貴が 苦しそうに見える

               

               「アイ 行きましょう」

               マユミさんは 身の危険を 感じてるのだろう

               しかし このまま 帰るわけにはいかない

               最後の手段だ

               振り返った マユミさんの 肩越しから

               思いきり 叫んだ

               「す・て・ね・こーっ!」



               ジャックに 押さえつけられてた 兄貴の姿が

               みるみるうちに 変わっていく





               (しまった!)

               私は 必死のあまり マユミさんの肩から

               地面に 飛び降りてしまった

               「アイ 大丈夫?」

               振り向いた マユミさんの先には

               人間の姿の 兄貴がいた              
               




               ランキング 応援お願いします!
                    
              人気ブログランキングへ
              にほんブログ村 ポエムブログ 自作詩・自作ポエムへ
                                                      にほんブログ村


                      秘密結社 「ホワイト・キャット」

              0

                                 第9話   シロ 対 クロ


                 何か 落ち着かないのは 私だけだろうか

                 マユミさんが サブに気を取られているうちが チャンスだ

                 後ろから 付けて来てくれている ジャムを呼びよせると

                 瞬間に 入れ替わった



                 取って返すように 兄貴のもとへ 向かった

                 繁華街の 入口ちかくに 着いたが どこにいるのか予想がつかない

                 「トムーっ こっち こっち!」

                 呼び声のする方を 見ると バーバラだ

                 「ついて来て」

                 「わかった!」

                 私は バーバラの後をついて 走った

                 繁華街を 横切り 路地裏に 入った



                 「この先に 廃材置き場が あるわ」

                 バーバラは 足を止めた

                 「相手は 何匹なの?」

                 「さあ・・・」

                 実際 相手の状況は わからない

                 「ママを 呼ぼうか」

                 彼女も 心配そうだった

                 「いや ありがとう いざとなれば 手段がある」

                 「手段?」

                 それ以上は バーバラでも 話せない



                 私も 腹を決めた

                 「じゃあ 行くよ」

                 「気を付けてね」

                 彼女の声を聴くが早いか 走り出した

                 すぐに 四方を 金網で囲われた 廃材置き場が見えた



                 入口付近と思われるところに 3匹のクロがいる

                 うかつには 近づけない

                 裏に回った フェンス沿いに 木箱が積まれている

                 ここを登って 廃材の上に 乗るしかない



                 廃材の上から 身を隠しながら 様子をうかがった

                 兄貴と ジャックが 対峙している

                 かすかに 話し声が聞こえるが よくわからない

                 少しづつ 少しづつ 近ずいた

                 ジャックの声が 聞こえる



                 「おまえが マユミとかいう人間の所にいるのは なぜだ?」

                 「あの人には 恩がある」

                 「恩? はっはははっ 笑わせるぜ!」

                 「 ・・・・・・・・・ 」

                 「オレの目が どうして こうなったか知ってるだろ?」

                 「ああ」

                 「それに 連れて行かれた仲間たちは 焼き殺されるんだ!」

                 ジャックは 地面をけった

                 「人間にも 愛がある 保健所から引き取られた 仲間もいるじゃないか!」

                 「ふん! そんなのは ほんの少しさ 見せかけだ!」



                 私から見ても ジャックのボルテージが 上がっているのが 解る

                 兄貴の周りには 4匹の部下が 取り囲んでいる


                 このまま ふたりが ぶつかっては 

                  勝ち目がない

                 私は 意を決した



                 「おーい! クロネコ野郎っー!」

                 廃材の上から 叫んだ

                               



                ランキング 応援お願いします!
                  
                    
                人気ブログランキングへ
                にほんブログ村 ポエムブログ 自作詩・自作ポエムへ
                                                        にほんブログ村


                        秘密結社 「ホワイト・キャット」

                0


                                   第8話   謎の老人


                   繁華街のざわめきは 人々の あわただしさだけでは なかった

                   一本 通りを入れば 野良猫や 野良犬 ねずみ等の 小動物もいた

                   街に住むのは 当然のこと 人間だけでは ないのだ



                   私は 必死な想いで ブラック・アイの アジトまで辿りついた

                   「誰もいない?」

                   争いがあったとは思えない 静けさだ

                   私は 鼻をならした 

                   やはり クロも匂いも トラの匂いも 残っていた



                   そこに 人の匂いがした

                   振り返ると アイと その後ろに 見慣れぬ 老人がいた

                   「トム ありがとう」

                   「兄貴も ご無事で ・・・ 」

                   私には 老人に 対する警戒心が あった

                   兄貴も それに気が付いていた

                   「この人が 秘密結社 ホワイト・キャットの創設者 神尾先生だ」

                   初めて 聞く話だった



                   「先生は オレたち 野良猫を集めて 保護していてくれる」

                   「そうだったんですか」

                   私は 老人に対して お辞儀をした

                   老人も お辞儀を 返してくれた

                   「トム 取りあえず クロと トラの 抗争は避けれたが オレは ジャックに合ってくる」

                   「わかりました」

                   「おまえは ここを出た コンビニに マユミがいる 一緒に帰ってくれ」

                   「了解しました」

                   私は 先にその場を出た



                   言われたとうりに 近くのコンビニに行くと マユミが店の角で しゃがんでいた

                   私の姿を見つけると あわてて駆け寄り 抱き上げた

                   「アイ 怖かった ・・・ ありがとう」

                   苦しくなるほど 抱きしめられた

                   抱きしめられながら 愛されることの 素晴らしさを感じた



                   マユミさんに 抱かれながら 家路を急いだ

                   途中 何匹かの トラネコに会った

                   一様に こちらを見ては ひそひそ話をしている

                   気にはなるのだが 抱かれたままでは 聞くこともできない



                   そんな時 マユミさんの足に まとわりつくように来たヤツがいる

                   サブだった しつこいぐらい 取り付いて来た

                   「どうしたの? トラ猫ちゃん」

                   マユミさんは 優しい しゃがみこんだ

                   私を降ろすと サブの頭を 撫でてやっていた

                   「オレは 見たぜ!」

                   サブのヤツが 言ってきた

                   「何を 見たって?」

                   私には すぐ気が付かなかった



                   「アイが 人間になるところさっ」

                   確かにそう言った

                   私は急に 不安になった

                   マユミさんは どうなのか 

                   アイさんの人の姿を 見たのだろうか



                   
                  ランキング 応援お願いします!
                    
                      
                  人気ブログランキングへ
                  にほんブログ村 ポエムブログ 自作詩・自作ポエムへ
                                                          にほんブログ村


                          秘密結社 「ホワイト・キャット」

                  0


                                     第7話   マり と カイ


                     この縁側の下に 吹き込む北風も やけに冷たく なった

                     残された 私と カイは それぞれに 不安を 感じていた



                     「おい 立てるか?」

                     私は 聞いた

                     「うーん」 そういいながら 何とか 立って見せた

                     「まっ いざとなれば 何とかなるか」

                     「ああ その時は 何とかするさ」

                     相変わらず 口は 達者だ



                     私は 耳を立てた

                     「だれか 近づいてくる!」

                     カイも 気づいたようだ

                     ふたりで そっと 身を 忍ばせた



                     「アーイ いるっー」

                     どこかで 聞いた声だ

                     私は 顔をのぞかせた

                     「マリーっ」

                     思わず声が出た

                     「マリーっ!」

                     こいつは ピョンピョン跳ねながら 飛び出している

                     「マリっ 心配してたんだぞ」

                     カイのヤツ 急に 元気になってやがる

                     「 ・・・・・・・ 」

                     マリの方が 元気がない

                     「どうした?」

                     私は 聞いた



                     彼女が言うには 最近 街に 自分のことを 探している

                     張り紙が してあるとの事 だった

                     「そうだな マリは 血統書付の お嬢さんだ 当然だろう」

                     私が 言うと

                     「でも マリ 帰る気は ないんだろ」

                     カイが すぐに 口を挟んできた

                     「 ・・・・・・・ 」

                     返事が なかった

                     「どうしたんだよ せっかく こう

                     して知り合って 仲間になったじ

                     ゃないか」

                     カイは 必死だった

                     「よう カイ マリの気持ちも 考えてやれよ」

                     「だからさぁ マリは ここに いたいんだって!」

                     完全に 一方的だ



                     「わたし ・・・ 帰ろうかと ・・・ 思うの ・・・ 」

                     彼女が 口を開いた

                     「えっ どうして?」

                     彼には 想像もできない 言葉のようだ

                     「どうしてさ オレ 前にも言ったけど マリの事が好きなんだ」

                     「うん わかってる ・・・ それは わかってる」

                     「じゃあ どうしてさ どうして 帰る なんて言うのさ」

                     このままでは ふたりが かわいそうだ



                     「よう カイよ マリにも ご主人様からの 愛があるんだ」

                     私は 言った

                     「愛? 相手は 人間だぜ ・・・ 人間と 猫の愛なんて」

                     カイは 全く 聞く気のない 様子だ

                     「アイさんと マユミさんは どうだ」

                     「ふたりは 別さっ」

                     「別なもんか ふたりも 人間と 猫さ」

                     そう言ったものの 心の中では 自分でも 迷っていた



                     「おーい!」

                     誰かの 呼ぶ声だ

                     「おお ジャム どうした?」

                     「大変だ 早く来てくれ! トラとクロの抗争に マユミさんが巻き込まれてる!」

                     「なんだって! よし わかった」
                     
                     私は あとのことは ふたりに任せ

                     ジャムと 一緒に 駆けだした




                    ランキング 応援お願いします!
                      
                        
                    人気ブログランキングへ
                    にほんブログ村 ポエムブログ 自作詩・自作ポエムへ
                                                            にほんブログ村


                            秘密結社 「ホワイト・キャット」

                    0
                       
                                         第6話   マユミの病


                       取りあえず 走りに走って 兄貴の家まで たどり着いた

                       縁側の下で カイと一緒にいる兄貴を見ると

                       なぜか 心が落ち着いて行くのが わかった



                       「どうだった?」

                       兄貴の言葉が やけに 優しく 心に響く

                       「実は ・・・ ガサ入れが ・・・ あって ・・・ 」

                       兄貴は 黙っていた カイは寝てるようだ

                       「ブラック・アイの数匹と ・・・ ロックが ・・・ 捕まりました」

                       「 ・・・・・・・ 」

                       「いま ジャムが トラ族に 向かってます」



                       私は 兄貴の言葉を 待った

                       「いま ・・・ マユミさんが 病院に 行っている」

                       意外な言葉にも 思えたが

                       兄貴が 仲間の事を 一番 思っていることは 間違いない

                       「うーん ああー よくねたぁ〜」

                       うるさいヤツが 目を覚ました

                       「やあ トムにーい」

                       「だいじょうぶか?」

                       カイの足が 気にはなっていた

                       「へへへっ ちょっと しくじっちまった」



                       「マユミさんは いつ頃 帰ります?」

                       カイには ガサ入れの話は しないでおこうと 思った

                       「もう帰るはずだ」

                       兄貴も 同じ考えで いるようだ

                       「マユミさんの病気って ・・・ ?」

                       私は 兄貴から聞いていたが カイは知らない

                       「心の やまいだよ」

                       めずらしく 兄貴の方から 口を開いた

                       「カイ この話は 誰にも話すなよ」

                       私は 先に念をおすと 話をつづけた

                       「マユミさんには 大好きな恋人が いたんだ」

                       「 ・・・・・・・ 」

                       「その恋人に 捨てられたんだ」

                       それ以上は 話すのを止めた

                       「捨てられた? ・・・ じゃあ 俺たちと一緒だ」

                       カイが ぽつりと 言った



                       「でも なんで 病気になるんです?」

                       カイは 納得が いかないようだ

                       「おまえも マリに 捨てられたら どうする?」

                       私は 言ってやった

                       「そりゃー 悲しいけど ・・・ だけど 病気には なんねェなナ」

                       「人間は そう簡単には いかないのさ」

                       「そうかなぁ」

                       「マユミさんには 信じれる 支えが必要なのさ」

                       私は 兄貴から 言われたことを カイにも 言っていた



                       「遅いな」                 

                       兄貴が 立ち上がった

                       「オレが 見てきます」

                       私も 立ち上がった

                       「いや おまえは カイといてくれ」

                       そう言うが 早いか 兄貴は走り出した

                       私にも いやな予感がした

                         
                       
                                                  

                              秘密結社 「ホワイト・キャット」

                      0

                                          第5話   ガサ入れ


                         
                        時は 一瞬を 争う場合もある

                         しかし あせらずに 相手の出方を 見極めるべき 時もある

                         今が どちらか 私は 迷った



                         それでも 真実を 見極めなくてはならない

                         自然に歩みは 「ブラック・アイ」の アジトへと向いていた

                         「トムーっ トムーっ」

                         小声で 誰かが読んでいる

                         あたりを見回すと コンビニのゴミ箱の後ろで ジャムの顔が見えた

                         小走りに 近づくと 私も 身を隠した



                         「どこへ行く?」

                         ジャムは 聞いてきた

                         私は カイの話から 警戒心を 強めていた

                         「・・・・・・・」

                         「カイの事 助けられなくて ・・・・ ごめん」

                         ジャムの方から 口を切ってきた

                         「オレは お前のことを 信じてる」

                         私は 素直に そう思った



                         「ボクが 案内するから」

                         「ああ 頼むよ」

                         そう言って ジャムの後に 着いた

                         コンビニの 狭い裏を通って 出来るだけ 人目を避ける

                         さすが この辺りは ジャムの縄張りだ

                         彼に連れられるまま 裏道という裏道を 通った



                         しばらく行くと 古い倉庫のような 建物の裏に出た

                         「ここから 上にあがるよ」

                         ジャムは 身軽に トントンと 上へと登っていった

                         私も ためらわず 登って行った



                         屋根の上まで 登ると ひとつの明り取りのような 出窓があった

                         ジャムは すでに 中の様子を 伺っていた

                         「トムさん 見て下さい」

                         彼に 促されて 中をのぞくと

                         「うーむ」 ため息が出た

                         クロの仲間たちが 集まる中に 確かに 1匹 白がいる

                         「ロックか?」

                         改めて ジャムに 尋ねた

                         彼は 黙ってうなずいた

                         何とか中の話が聞こえないか 私は 耳を澄ませた



                         かすかに聞こえる 話し声と

                         ここには 「マリ」はいない事が分かった

                         と その時だ 

                         入り口に 駆け込んでくる クロの仲間だ

                         「ガサ入れだっー!」

                         叫び声と共に 数人の人間が 飛び込んできた

                         保健所の職員たちだ

                         「向こうへ 回れ!」

                         ひとりの男が 叫んだ

                         あたりは 一瞬にして 猫の泣き声と 人の叫び声の

                         戦場と化した



                         逃げ回る黒猫の中で 1匹だけ 人間に向かって行くヤツがいる

                         「片目のジャック」 だ 保健所の職員も

                         だいたい猫の習性や動きを 周知していたが

                         「ジャック」は 片目の分 他の猫とは

                         違う動きを していた そして ヤツの狙いは 「復讐」だ



                         ジャムと 私は その場を動くことは できなかった

                         多くの黒猫が 捕えられた その中には ロックも入っていた

                         ジャックは ひとりの職員の顔に 飛び掛かると

                         数回引っ掻き 入口を突破した

                         その後に続き 数匹の仲間たちが 飛びだして行った

                         裏口の窓から 逃げるものもいた



                         砂煙が落ち着いて行くように 事態は収拾していった

                         ジャムと 私は 建物から 降りた

                         「アイさんに 報告してくる」

                         私はいった ジャムは 黙ったままでいる

                         「ジャム トラ族の動きを 探ってくれ」

                         「ああ ・・・ ああ ・・・ わかった」

                         力のない声だった ロックの事が 気にかかるのだろう

                         私は 心の中で 「これも 野良猫の 運命」

                         そう つぶやいていた 
                                                       




                        ☆ ランキング 応援お願いします!
                          
                            
                        人気ブログランキングへ
                        にほんブログ村 ポエムブログ 自作詩・自作ポエムへ
                                                                にほんブログ村


                        | 1/2PAGES | >>

                        PR

                        calendar

                        S M T W T F S
                        1234567
                        891011121314
                        15161718192021
                        22232425262728
                        293031    
                        << October 2017 >>

                        ローカルテキスト

                         

                        見つけよう!Amazon

                        ドリームポケット

                        ゴールデンアイ

                        レインボーマップ

                        recent comment

                        recent trackback

                        profile

                        search this site.

                        mobile

                        qrcode

                        powered

                        無料ブログ作成サービス JUGEM