スポンサーサイト

0

    一定期間更新がないため広告を表示しています

    • 2016.04.04 Monday
    • -
    • -
    • -
    • by スポンサードリンク

    『 幻 愛 』 〜 詩小説 6 〜

    0

       

      3

       


       画廊「帰郷」をでると、あと
      2枚の絵を持って、大手デパート

      に向かった。都会の道を歩いていると、どうも自分だけが時間の

      流れがゆっくりのような気がする。まあ、特に急ぐ必要もなく、

      成り行きに任せている。この大手デパートには、平日なのに驚く

      ほど人がいる。この人たちは、どこでどんな仕事をしているんだ

      ろうと、馬鹿なことを考えている。エレベーターに乗るのは苦手

      なのだが、6階まで歩く勇気もない。上りを待つ人だかりの最後

      尾についた。ほどなく、ヤツは来たが果たして全員乗れるのだろ

      うか?一人のおばちゃんが、早く早くと手招きをした。ぼくは、

      キャンバスを抱きしめて、突撃した。何とか扉はしまった。
      6

      のランプがついてない。


       「何階?」


      おばちゃんが聴いてくれた。


       「6階で。」


      ぼくは、ペコリとお辞儀をした。

       


      6階には、ここの事務所がある。ぼくは、いつものようにノック

      した。


       「どうぞ!」


      奥から女性の声がした。事務局長の洋子さんだ。


       「失礼します。」


      いつものようにドアを開けると、中へ入った。


       「ナオくん、ご苦労さま。」


      書類に目を通しながら、こちらを見てない。


       「あの、絵ができました。」


       「あ、そう。どれどれ、見せて?」


      彼女は手を止めると、彼のキャンバスを手にとった。


       「ねーえっ、これって前のとちょっと違うんじゃない。」


      あっさりといった。


       「ええ、少し変えてみたんですよ。」


       「ダメよーっ、変えちゃァー、この間のが一番売れたんだぁ」


      ぼくは頭を書いた。ブツブツ言いながら、もう1枚にも目をやっ

      た。


       「へーっ、これいいじゃん。今までにない感じ。私の好み

        よ。」


       「はぁ、そうですか。」


       「今度、これ、
      23枚書いてよ。」


       「わかりました。」


      もちろんこの人は、画家でもなんでもない。ただの商売人だ。


       

      ぼくは、事務所を出るといつものようにこのデパート内の画廊

      に行った。ここには、たくさんの「売り絵」が展示されている。

      何気なくそれらを見ていると、ひとりの女性から声をかけられ

      た。


       「あの、私、絵のことあまり詳しくないんですけど、会社の上

        司に社長室
      に飾る絵を頼まれたんですけど、選んでもらえま

        せんか?」


      突然の申し出に、ちょっと気が引けたがこれも何かの縁と思い、

      探してあげた。当然、自分の絵も掛けてある。だが、自分の絵は

      選ばない。気に入らないからだ。それよりも、無難な十人好きす

      るものにした。


       「どうですか、この花瓶の飾られた花の絵、明るくて、そ

      れでいて落ち着きもあると思いますよ。」


      ぼくは、いかにも評論家のような説明をした。

       
      「ありがとうございます。これに決めます。」


      素直な子だ。彼女は、深々と頭を下げると、売り場の従業員

      のところへ行った。

       

                              (つづく)      

        ランキング 応援お願いします!
            
      人気ブログランキングへ
      にほんブログ村 ポエムブログ 自作詩・自作ポエムへ
                                              にほんブログ村


      スポンサーサイト

      0
        • 2016.04.04 Monday
        • -
        • 13:29
        • -
        • -
        • by スポンサードリンク

        コメント
        花の絵を選んであげたのですね。
        無難ですよね。
        どのような人でも花の嫌いな人は居ませんものね。
        この女性と今後何かの関わりが生まれるのかしら?
        楽しみです。
        • 太郎ママ
        • 2013/02/28 7:22 AM
        太郎ママさん コメントありがとうございます♪

        そうですね〜 想像力を膨らませて見て下さい☆
        え〜っ、とても謙虚な・・・。
        でも本人だったらそうかもしれませんね。
        他の人の画を薦めてしまいますね。
        ましてお花だったら尚更に。

        その絵をきっかけに展開されるお話しが楽しみです。
        夏雪草さん コメントありがとうございます♪

        そうですね〜 売り絵作家ですからね。。。謙虚です(笑)
        さあ、これからどう展開していくにか、次回をお楽しみに☆
        コメントする








           
        この記事のトラックバックURL
        トラックバック

        PR

        calendar

        S M T W T F S
           1234
        567891011
        12131415161718
        19202122232425
        2627282930  
        << November 2017 >>

        ローカルテキスト

         

        見つけよう!Amazon

        ドリームポケット

        ゴールデンアイ

        レインボーマップ

        recent comment

        recent trackback

        profile

        search this site.

        mobile

        qrcode

        powered

        無料ブログ作成サービス JUGEM