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    • 2016.04.04 Monday
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    『 幻 愛 』 〜 詩小説 6 〜

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      第7話

       


       ぼくは、少しの間、彼女の後ろ姿を見つめていた。しかし、一

      度も彼女はこちらを振り向かない。当たり前だ。見知らぬ子が、

      ぼくを気にするわけがない。
      つくづく自分の単細胞を賛嘆してし

      まう。


       「そうだ。」


      実家に何も土産を買ってないのを思い出した。あわてて、構内に

      戻ると「みたげ売り場」を探した。いかにも、東京帰りというよ

      うな土産を買った。


       

       駅から実家までは、大人の足でも1時間ぐらい歩かなくてはい

      けない。バスは通ってない。タクシーは高すぎる。ぼくは、ひと

      り歩き出した。少しづつ道は、細くなり、途中から山あいに入っ

      ていった。山道を歩いていると、
      7年の時間の経過が嘘のよう

      で、何も変わってないようにさえ思えた。


       さあ、実家についたら、第一声はどうしよう?まずは、(ただ

      いま!)だろうか。あまり元気は出さない方がいいかも知れな

      い。母は、どうだろう?電話をくれたのだから、喜んでくれるだろ

      う。感動の対面で抱きついたりして・・・。


      それはないだろう。父はどうだ。喜ぶだろうか?怪我の具合がわ

      からないが、寝たきりなら、殴られるようなこともないだろう。

       


       そうこう思いを巡らしているうちに、峠の一番高いところまで

      着いた。ここから実家を見ることができる。おお、変わらぬ風景

      だ。ちょっと感動した。今回は、絵画の道具も持ってきた。ここ

      からの風景も書きたいひとつだ。よし、もうひと頑張りだ。ここ

      からは下りになるので、スピードが違う。一歩一歩、実家に近づ

      いていくのがわかる。ちょっと、緊張してきた。やはり
      7年は長

      い。


      心配もかけただろう。そうだ、素直に謝ろう。そして、もう一

      度、画家を目指していることを話すんだ。


       

       やっとの思いで、実家の前にたどり着いた。何だか、静まり返

      っている。恐る恐る玄関の前に立った。


       「たっ、ただいまっ!」


      思ったより元気な声になってしまった。中からは、何も応答がな

      い。今度は玄関の引き戸に手をかけながら、呼んでみた。


       「たぁ、だぁ、いまーっ!」


      ちょっと、おどけた感じになってしまった。懐かしい引き戸は、

      ガラガラと音を立てて空いた。キョロキョロとあたりを見渡し

      た。土間には誰もいないようだ。敷居をまたいだ。その瞬間だ。


       「わっ!」


      後ろから誰かが、飛びついた。


       「うわぁ〜」


      ぼくは土間に飛び込んだ。


       「あっはは、あっはは!」


      笑いの主は、母である。


       「な、なんだよ。」


      ちょっと不愉快だ。


       「やあ〜よく来た。よく来た。まあまあ遠慮せず、上がれ

        い。」


      母が大きく見えた。仕方なく、靴を脱ぐと広間へと向かった。

                           (つづく)

       

       

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        • 2016.04.04 Monday
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        • 22:11
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        コメント
        お母さんは嬉しかったでしょうね。
        明るいお母さんのようで、お父さんとの間も上手く仲立ちしてくれそうです。
        山里は憧れです。
        これからの展開を楽しみたいと思います。
        • 太郎ママ
        • 2013/03/15 7:33 AM
        太郎ママさん コメントありがとうございます♪

        山里っていいですよね〜 今後の展開にご期待下さい☆
        母は太陽であった。。。
        かな・・?
        タミリンさん コメントありがとうございます♪

        まさしく、そうかも知れません〜
        今までの時間差を感じさせないお母さんの対応。
        いいですね〜。
        さりげない、母のやさしさを感じます。
        夏雪草さん コメントありがとうございます♪

        そうですね〜 男ってある時期になると母親に甘えベタになりますね☆
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