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    • 2016.04.04 Monday
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    『 幻 愛 』 〜 詩小説 6 〜

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       第11


       やっぱり、あの頃と一緒だ。彼女にはかなわない。幼稚園でも、小学

      校でも、彼女は優等生。それに比べて、このぼくは可もなく不可もない

      ただの男の子だ。しばらく呆然としたまま歩みを進めてしまった。



       「ねえ、なおくん?」


      おや、今までにない優しい声だ。


       「今でも、絵を書いてるの?」


       「あ、ああ・・・。」


      次の言葉が見つからない。


       「一度見てみたいなぁ、なおくの書いた絵・・・。」


      (えーっ!マジかよ〜)心の鼓動が自分にも聞こえた。


       「い、いいよ。油絵の道具は持ってきたから・・・。」


      来たぞ来たぞ、これはチャンスだァ〜。一度に目の前が明るくなった。


       「今度の日曜日は、どう?」


      急に積極的になってる自分が怖い。よく見ろ、彼女も引き気味だ。


       「い、忙しいよね?」


      また大人しくなってしまう自分が悲しい。


       「日曜日ね。いいよ。」


      (おお、神様。仏様。お内裏様〜)我ながらこの急展開に何とか着いて

      行っている。


       「どこで会おう?」


      気が大きくなってる自分が怖い。


       「そんうねぇ〜 私の家の裏山、覚えてる?」


       「ああ、覚えてるよ。」


       「じゃあ、そこにしようか?」


       「ああ、いいね!」


      だめだ、舞い上がっている。


       「あそこで、ママゴトしたの覚えてる?」


       「へえっ、ま、ままごと?」


      ああ、また頭のページがめくられて行く〜。

      確かそんなこともあったような。。。


      呆然としているぼくに、さらに追い討ちをかける。


       「その時、約束したよね?」


       「や、約束っー?」


      もうすでに僕のページは、真っ白になっている。


       「覚えてないんだ。。。」


      彼女は下を向いた。寂しそうにも思えた。


       「うーん、えーっと、そお。。。」


      出てこない。今更ながらなんて鈍い頭なんだと、我を嘆く。。。



       そうこうしているうちに、彼女の家が見えてきた。もう辺りは薄暗い。

      彼女の家の明かりが見える。(そうだ、久しぶりだし、彼女のお母さん

      に挨拶していこう。)


       「なおくん、ありがとう。」


      (えっ、ここで、さよなら。。。)


       「い、やっ、せ、せっかく、こ、ここまで、き、来たから、おばさんにあ、

       挨拶するよ。」


      ここまで言うのに、実に時間がかかった気がする。


       「う、うん。ここでいいわ。」


       「で、でも。。。」


       「いいのよ。あわない方がいいわ。」


      彼女はもう決めているようだ。


      諦めきれないぼくに対して、彼女は覗き込むようにして止めを言った。


       「だって、約束覚えてないんだもの。」


      彼女の顔は笑顔に見えた。しかし、ぼくの心は居たたまれない。


                                      (つづく)      


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        • 2016.04.04 Monday
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        • 11:40
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        コメント
        おはようございます。

        益々面白くなってきましたね〜。
        約束って、
        お嫁さんになるとかではないかしら?
        なんかウキウキしてきちゃいます^_^

        約束覚えていないから、
        お母さんに会わせないなんて言う、
        女の子の気持ちが、よく表現されていますね。
        • 夏雪草
        • 2013/04/02 6:08 AM
        あれぇ? どのような約束だったのかしら?
        期待しちゃいます。
        • 太郎ママ
        • 2013/04/02 7:45 AM
        夏雪草さん コメントありがとうございます♪

        いいですね〜 嬉しいですね〜
        次回を乞うご期待ください☆
        太郎ママさん コメントありがとうございます♪

        そうなんですよね〜 それは秘密なんです〜
        次回をお楽しみに〜☆
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