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    『 幻 愛 』 〜 詩小説 6 〜

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      13



       ボクはまだ、起き上がることができない。目の前にいる女性は誰なん

      だ?


       「気分はどうですか?」


      彼女は聞いてきた。ボクの頭は起き上がれないだけでなく混乱してい

      た。


       「あ、あの〜 あっちゃんじゃないよね。」


      よく見ると似ているような、似てないような、聞いてみるしかなかった。


       「私は、”あっちゃん”ではありません。」


      彼女は、はっきりと言った。ますますめまいがしそうである。


       「じ、じゃあ、キミは、だっ、誰なの?」


      ボクは、仰向けになったまま動きが取れない。


       「私は、あなたの召使です。」


      確かにそう言った。(め、め、召使〜?)ボクはもう一度目を閉じた。大

      きく深呼吸をする。よ〜く、考えてみる。手は何とか、動きそうだ。そっ

      と、手を動かし頬をつねった。


       「痛い!」


       「クククッ。」


      (えっ!この笑い方・・・・。)


      やっぱり一緒だ。


       「あ、あっちゃんだよね。」


      ボクは、確信を持って聞いた。彼女は、ボクの顔をまじまじと見ながら

      言った。


       「私は、”あつよ”の姉の”みどり”よ。」


      (あっちゃんの姉?ああ、そうだ。確かに、お姉さんがいた。5つか、6


      年上だったと思う。名前は・・・・・、ダメだ。思い出せない。)


       「脅かしてごめんね。ご主人様とか、召使とか。だって、今、流行って

      るじゃない。メイド喫茶って。」


      ボクは呆気にとられていた。お姉さんの存在は間違いない。



       しばらく時の流れに身を任せていた。彼女は、台所に戻ると”お粥と

      お味噌汁”をお盆に乗せて持ってきた。ボクの横に座ると、笑顔でこち

      らを見た。


       「食べれるかしら?」


      彼女の問いかけに、体を起こそうとしたが無理のようだ。


       「いいわ、無理しないで。私が食べさせてあげる。」


      自分でも顔が赤くなるのがわかる。この年になって、他人に食べさせて

      もらうなんて・・・。 

      「はい、あーんして。」


      ボクは素直に左に頭を傾けると、口を開いた。彼女がスプーンですくっ

      てくれたお粥が入ってきた。(おいしい!)ボクは黙って、口を動かし

      た。


       「はい、もう一回。」


      ボクは言われるままに成っていた。彼女はなにか嬉しそうに見えた。


       「早く、元気になって、いつものように山の景色を書いてね。」


       「えっ!」


      思わず声にした。


       「だって、ほら、油絵の道具もちゃんと持ってきたのよ。」


      彼女の目線の先には、ボクの画材がまとめてあった。(でも待てよ、キ

      ャンバスには何も書いてないはず、真っ白だ。)


       「ど、どうして、山の景色ってわかるの?」


      彼女のスプーンを持つ手が止まってしまった。すると、その着物の袖口

      から火傷の痕のような大きな傷が見えた。それに気づいたのか、彼女

      はすっと、手を引っ込めた。しばらく沈黙が続いた。


       「私、あなたのことを見てたのよ。」


      ボクを見つめるようにして彼女が言った。(えっ、ど、どこで?)


                                        (つづく)         

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        • 2016.04.04 Monday
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        • 07:43
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        コメント
        主人公と同じでこんがらがっています。
        謎めいた女性が登場しましたね。
        この先に影響がある女性になりそうですね。
        • 太郎ママ
        • 2013/04/13 7:16 AM
        太郎ママさん コメントありがとうございます♪

        ええ、ちょっと複雑になってきましたね〜
        今後の展開にご期待下さい☆
        え?
        なに、なに!

        気になりますね〜。
        もしかして、幽霊?

        夏雪草さん コメントありがとうございます♪

        う〜ん、読みが厳しいですね〜
        次回を乞うご期待下さい☆
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