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    『 幻 愛 』 〜 詩小説 6 〜

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       ボクは何をしてるのだろう。いや、何もしてない。何もしてないどころ

      か、人の家でそれも見ず知らずの、いや、一応、会ったことは過去に

      あるかもしれないが、今の姿は初めてだ。なのに、食事を食べさせても

      らい、また、今こうして布団に横になっている。


       (そうだ、母に電話をしないと心配しているに違いない!)


       体を起こそうとしたが、ダメだ起き上がれない。よく考えてみると、別

      段どこか体が痛いわけでもない。しかし、何かに縛られている感じだ。

      仕方ない、声を出した。


       「あの〜 すいません。」


      返事がない。聞こえないのだろうか?もう一度、強く声にした。


       「あの!すいませーん!」


       「はーい!」


      パタパタという足音とともに声がした。


       「どうかしたの?」


      彼女が心配そうな顔をして現れた。


       (あれ、なんか親しげな声じゃないか?)


      一瞬、ボクは戸惑った。彼女もけげんな顔をしている。


       「あ、あっ、いや、ちょっと、家に電話しとこうと思って。」


      しどろもどろになった。


       「大丈夫よ、おばさんには言っておいたから。」


      彼女は平然として言った。


       (お、おばさん?)


      ボクはまた、言葉に詰まってしまった。彼女は少し笑顔を見せた。


       「おばさん、あとは”みどりちゃん”に任せるって。」


      嬉しそうである。


       (ま、任せるって、な、何を?)


      ボクの母とそんなに親しい仲なのか。あー、だめだ。頭が回らない。彼

      女はそんな僕の気持ちなどお構いなしのようだ。


       「ねえ、なおくん、絵を書いてよ。山の絵を。」


      まただ、また言ってる。どうして、そんなに山の絵にこだわるんだ。


       (あれ?待てよ、山の絵にこだわってるのはボクじゃないか。)


      えーい、何とでもなれ。


       「わかったよ、書くよ。山の絵を。」


      少々、投げやりの言葉になった。しかし、明らかに彼女の顔には、陽が

      差し込むような輝きが見えた。それは、まるで天使の笑顔にも見えた。

      するとどうだ、みるみるうちに体が軽くなっていくのがわかった。ボク

      は、慌てるように起き上がった。


       「よかった、元気になって!」


      彼女は、そんなボクを見てニコニコしながら言った。


       (ああ、何という開放感だろう!)


      ボクは、大きく伸びをしてみた。どこも痛くない。平気だ。


       「ちょっと、外に出てみてもいいかなぁ。」


      何気なく、口から出た。彼女の表情が険しくなった。


       「だめ!絶対でちゃだめ!」


      取り乱しそうな殺気を感じた。


       「あっ、い、いいんだ、わかったよ。」


      慌ててボクは、その場を繕った。



       仕方なくというか、取りあえずというか、ボクはイーゼルと油絵の道具

      の入ったカバンを取ると、部屋の真ん中にイーゼルを立てた。彼女は

      黙ってボクの様子を伺っているようだ。近くにあった椅子を借り、真っ

      白なキャンバスをイーゼルに立てるとコンテを手にとった。しばらく目を

      閉じた。そして、閃とともに目を開けると、彼女がキャンバスの前で着

      物を脱ごうとしていた。


                                        
                                       (つづく)             


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        • 2016.04.04 Monday
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        コメント
        みどりちゃん? 主人公ではありませんが読者のこちらもこんがらがっています。
        山の絵なのに衣服を脱ぐ?  
        どうなっちゃうのでしょう。
        • 太郎ママ
        • 2013/04/21 7:47 AM

        ボクと彼女

        ドキドキする展開、ですね


        ありがとうございます!
        • ponsun
        • 2013/04/22 6:33 AM
        Minorpoetさん、こんにちは。
        りせです。
        覚えていらっしゃいますか?

        物語の続き、気になります…。
        また読みに来ます☆彡

        ブログ再開しました。
        また遊びに来てくださいね^^
        太郎ママさん コメントありがとうございます♪

        いよいよ物語の佳境に迫っていきます〜
        次回を乞うご期待下さい☆
        PONSUNさん コメントありがとうございます♪

        核心に近づいております。。。
        次回をご期待下さい☆
        りせさん コメントありがとうございます♪

        覚えてますとも!訪問とても嬉しいです☆
        次回も見に来てくださいねo(^o^)o
        おはようございます。
        いろんなことを自分なりに想像しながら、
        読むのが楽しいです。
        さてさてこの先は、
        果たして私の想像通りに進展するのかどうか?
        楽しみですね〜。
        • 夏雪草
        • 2013/04/24 6:01 AM
        夏雪草さん コメントありがとうございます♪

        いろいろなご想像ありがとうございます。
        果たして想像と近づくかどうかご期待下さい☆
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