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    『 幻 愛 』 〜 詩小説 6 〜

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      15



       「ま、待った!待った!」


      ボクは、あわてて彼女の行動を止めた。彼女は悲しげな目をしている。


       「ぼ、ボクが書くのは山の絵だよ?」


       「・・・・・・・・・・。」


      無言のままだ。よく見ると、彼女の目はとても綺麗だ。黒くはなくて、ま

      るで吸い込まれそうなグリーンである。


       「あなたは、いつも私を見ずに書いている・・・・。」


      彼女がつぶやきだした。ボクは黙って聞いた。


       「いつも、ビルの上から見えもしない私の姿を書いている・・・・・。」


      (わ、私の姿?)理解に苦しむ言葉だ。


       「あなたは、私の姿を何年も何十年も見てない・・・・。昔は、そうじゃ

       なかった。あなたは、あなたの目で見た『本当の私』を書いていてくれ

       た・・・・・。もう私は昔の私と変わってしまったの・・・・・。」


      ここまで話すと、彼女は涙ぐんだ。ボクには、頭の整理がつかなかった

      が冷静に自分の心を取り戻そうとした。



       ボクが東京に出てから書いていた絵は、確かにすべて自分の記憶の

      中にある山の景色だ。それは、その頃の山の景色を愛していたから

      だ。どんな時もボクを包み込んでくれる偉大な自然、山、草花、小動物

      たち。まさに、自分は自然と共に生きてきた。山は自然のうちに、ボク

      に生きる術を「弱肉強食」の世界さえも教えてくれた。



       今、ボクの前で涙ぐむ彼女は誰だろう?ボクに何を言おうとしている

      のか、きっと何かあるに違いない。ボクが東京に出てから、知らず知ら

      ずのうちに目をそらしてきたもの、それは何か?「偽りの絵」を書いて

      お金を貰い、それで満足をしている自分。何のために東京まで出てい

      ったのか。何がしたくて、何が書きたくて、自分は筆を取るのだ。



       彼女も少し落ち着きを取り戻したようだ。着物をまた、綺麗に正すと

      声を出した。


       「なおくんが、このふる里を出てから大きく世の中は変わったわ。」


      寂しそうな声だった。


       「どんな風に?」


      ボクは単純な問いかけをしてしまった。彼女は何度も唇を噛むような仕

      草をした。次の言葉を選んでいるように思えた。


       「人間は、自分勝手よ・・・・。」


      その一言にボクは驚いた。



                                        (つづく)

                   

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        • 2016.04.04 Monday
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        • 16:46
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        コメント
        おはようございます。

        ま、まさか山の精?
        不思議な世界に入り込んでいるようですね。
        • 夏雪草
        • 2013/04/25 5:55 AM
        あぁ〜あ、なるほど。
        ようやくミドリちゃんの正体が垣間見えてきたような・・・
        期待していますね。
        • 太郎ママ
        • 2013/04/25 8:03 AM
        夏雪草さん コメントありがとうございます♪

        そうですね〜 不思議な世界です!
        今後を乞うご期待ください☆
        太郎ママさん コメントありがとうございます♪

        見えましたかねぇ〜 次回もご期待下さい☆
        Moinrpoetさん、こんにちは^^

        緑の目をした不思議な少女は、
        ひょっとして山そのもの?
        いろいろと想像しちゃいます。
        また続きを見に来ますね〜〜♪

        応援クリック!ぽち。
        りせさん コメントありがとうございます♪

        そうですね〜 色々、想像しちゃってください(笑)
        次回も乞うご期待ください☆
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