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    『 幻 愛 』 〜 詩小説 6 〜

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      17



       ボクは必死に描いた。デッサンを書き終えると、絵の具を取り出し、

      パレットに次々と絞り出した。それはまるで、何かにとりつかれてるか

      のようだ。ボクの手は、もうボクの意志を超えている。彼女は黙ってこ

      ちらを見ている。幾度となく、彼女と目が合った。その度に、ボクの中

      の何かが筆を走らせる。



       どれぐらい時間が過ぎただろう、自分でもここまで集中して書いたの

      は数年ぶりだ。ひとまずここで、乾かしたほうがいいだろう。


       「休憩にしようか?」


      ボクは筆を置きながら言った。彼女は笑顔で答えた。そして、立ち上が

      ろうとしたかと思うと、胸を抑えながらその場にうずくまった。


       「だ、大丈夫!」


      あわてて彼女に駆け寄った。額には汗がにじみ出ている。


       「う、ううん・・・・。」


      見るからに苦しそうだ。ボクは、訳も分からず彼女の背中をさすってい

      た。子供の頃、母が咳き込むとこうしていたからだ。しばらく、彼女は大

      きな息を繰り返していた。



       しばらくすると、彼女の呼吸も落ち着いてきた。


       「わ、わたし、もう長くは生きられないの・・・・。」


       「えっ・・・・・。」


      彼女の言ってる意味がよくわからない。


       「ど、どうゆうこと?」


      単刀直入に聞き返した。


       「で、でも・・・・、そうね。話すわ・・・・。」


      彼女が僕の目を見つめてる。心の臓がドキドキする。彼女の唇が語り

      だした。


       「私の話をする前にこれを見て。」


      そう言って、腕をまくった。火傷のような傷が、肩の方まで続いているよ

      うだ。もう片方の腕も同じだった。さらに彼女は、着物の裾をまくった。

      思わずドキっとして目をそらした。


       「お願い!見て。」


      恐る恐る目を向けると、足にもやけどのような跡が腿の方まで続いて

      いるようだ。両足ともだ。ボクには声を出すことができなかった。


       「これが、今の私の本当の姿よ・・・・。」


      絞り出すような彼女の声だった。


       「もう私は昔の私じゃない・・・・・。戻れないのよ。」


      ボクは生唾を飲んだ。


       「あなたもここへ来るまでに、開発された山の姿を見たはずだわ。」


      彼女の目が光って見えた。


       「壊されてしまったのよ。もう元には戻らないは・・・・。でも、まだ残さ

       れてるところもあるわ。」


      覚悟を決めてるようにも聞こえた。彼女は、僕の手をとった。(冷た

      い!)


       「私には、もう時間がないの・・・・。妹を同じ目に合わせるわけにはい

       かないの。」

       
       「い、いもうと?」


      思はず声が出た。



                                         (つづく)

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        • 2016.04.04 Monday
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        • 18:46
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        コメント
        ミドリさん、森の精?

        地球全体が汚れ傷ついています。
        核廃絶を祈っているのですが、わが国のアベさんが原発を輸出するなんてバカなことを言っています。
        どこまで地球を汚せば気が済むのでしょうかしらねぇ。
        • 太郎ママ
        • 2013/05/05 7:53 AM
        太郎ママさん コメントありがとうございます♪

        さすがママさんですね〜 核心に近づいてきましたよ〜
        次回も乞うご期待ください☆

        恐る恐る目を向けると、足にもやけどのような跡が腿の方まで続いているようだ。両足ともだ。ボクには声を出すことができなかった。

        「これが、今の私の本当の姿よ・・・・。」
        絞り出すような彼女の声だった。


        緊迫の瞬間ですね
        伝わってきます


        ありがとうございます
        • ponsun
        • 2013/05/06 5:37 AM
        PONSUNさん コメントありがとうございます♪

        緊迫感が伝わって、とても嬉しいです!
        次回もご期待ください☆
        おはようございます。
        いよいよ謎がとけてきそう。

        ドキドキしますね。
        • 夏雪草
        • 2013/05/07 5:31 AM
        夏雪草さん コメントありがとうございます♪

        ドキドキ感が伝わって、嬉しく思います!
        次回を乞うご期待ください☆
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